目の中には直径9mm厚さ4mmの網膜に焦点を合わせる凸レンズがあります。それを水晶体と言いますが、水晶体が濁る病気を白内障と言います。 水晶体が混濁すると視力低下、ものが見えにくくなる・ぼやけて見える・眩しく感じるなどの症状が現れます。 水晶体は、眼に入ってきた光が網膜でピントが合うようなレンズとしての役割があります。眼球をカメラに例えられますが、レンズが濁った状態です。治療としては、濁った水晶体を取り除いて人工レンズを挿入する手術をします。日本では、年間約140万例の白内障手術が行われています
核という水晶体の中央にある部位が硬く混濁するものをいい近視化します
水晶体の表面の水晶体皮質の混濁を皮質白内障と言います
皮質よりさらに表面に水晶体を包む囊という薄い透明な膜がありますが、前でなく後ろの囊が濁る白内障を後囊下白内障といいます
加齢に伴い、着色が増加する。
アトピー性皮膚炎、外傷、薬剤(ステロイドなど)、代謝性疾患(糖尿病など)が原因として起こります。
ステロイドや痛風薬アロプリノール、向精神薬で白内障がおこります
風疹や梅毒などの胎内感染や、21trisomy(ダウン症)など遺伝、代謝異常、薬物によるものや、放射線などが原因で起こる。 約50%は原因不明です。
損傷部に一致した部位で混濁が始まり急速に混濁が進行する。鈍的外傷で数年後に混濁を生じる場合がある
厚生科学研究班の報告では、有病率は、50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代84~97%、80歳以上で100%です
個人的要因(遺伝的要因)と環境的要因に分けられます
双子の研究から遺伝が白内障に重要であることが示唆されてます。女性は女性ホルモンの低下とともに白内障になる確率が上がります
喫煙、紫外線、糖尿病、ステロイド内服、肥満が白内障と関係あることは研究からはっきりしてます。飲酒が関係あるとする報告もあります。これらに曝される機会や生活習慣で努力で何とか出来る部分を改善することが白内障になる危険を減らすことに繋がります
白内障手術は現在、超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術の2つを同時に行うことで完了します
遠い昔は角膜縁に沿って大きく円形に切開して水晶体を丸ごと取り出す様な方法などで行われてましたが、局所麻酔での日帰り手術を可能にしたのがこの超音波水晶体乳化吸引術です。
角膜切開と粉砕(乳化)と吸引という主に3つの工程に分けられますが特に難治な症例でなければ数分で終わります。
点眼麻酔して僅か2~3ミリの切開を角膜に沿って弧状にします。痛みはありません。
その後に水晶体の薄い膜を環状にサランラップをはがす様にはがします
膜に包まれた中の濁った水晶体だけを超音波で粉砕(乳化)しながら吸引します。痛みはありません
膜だけを残してすべて吸引します
膜の中にできた空間に眼内レンズを挿入します
一つの距離にピントが合うレンズです。遠くにピントが合うレンズを挿入したら近くを見るときはメガネをかけて見ます
単焦点レンズに対して2カ所(近くと遠く)や3ヶ所(近くと遠くと中間距離)にピントが合うレンズです。単焦点レンズに対してやや見え方のシャープさに劣ります
白内障の視力を回復するためには白内障で濁った水晶体を除去して人工眼内レンズを入れる手術をします。
白内障は眼鏡やコンタクトレンズで視力を上げることが難しいです
白内障手術では水晶体囊という水晶体を包んでいた袋状の薄い膜一枚を残してその中に人工眼内レンズを入れてます。術後に残した膜が濁る場合があります。これを後発白内障といい、もう一度眼内レンズを入れ直すような手術が必要になるわけではありません。レーザーで膜の濁った部分を取り除くことで術直後の視力に回復します