ものもらい（麦粒腫、霰粒腫）の治療
麦粒腫（hordeolum）
眼瞼の急性化膿性炎症で、いわゆる「ものもらい」で外麦粒腫と内麦粒腫があります。外麦粒腫は皮脂腺(Zeis腺)、汗腺(Moll腺)の急性感染症です。内麦粒腫はマイボーム腺の急性感染症です。
麦粒腫の原因
麦粒腫の起炎菌は眼瞼の常在菌である黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が大部分を占めます。
眼瞼が発赤して腫脹して圧痛があります。内麦粒腫の方が眼瞼の腫脹や疼痛は高度です
麦粒腫の治療
抗菌薬の点眼、眼軟膏、全身投与します。ディスポ注射針で穿刺、切開、排膿すると早く治る場合があります。糖尿病による易感染性の状態により繰り返す場合があります
霰粒腫(chalazion)
霰粒腫はマイボーム腺の出口の栓塞により中(瞼板内)で炎症(病理学的には慢性肉芽種性炎症)を起こしている状態です。症状は眼瞼が半球状に中に腫瘤が有るかのように隆起します。急性に発症して発赤、腫脹、疼痛を伴うものを急性霰粒腫といいますが、内麦粒腫との鑑別が必要です
霰粒腫の治療
手術的に摘出する方法がありますが、ステロイド薬(トリアムシノロン アセトニド0.05~0.2mlを最も細い針で局所注入する)の直接注入が効果的です。同じ箇所で再発を繰り返す場合や中高年者ではマイボーム腺がんとの鑑別が重要になります
