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加齢黄斑変性(Age-related macular degeneration)の治療

カメラのフィルムに当たる「網膜」のど真ん中の「黄斑」という組織で私たちは物を見ています。黄斑が加齢に伴って変性し、視力低下を引き起こす疾患です。「黄斑」が「加齢」によって「変性」する疾患です。唯一確実に誘引となる原因として喫煙が言われてますが、日光、ブルーライト、肥満、高血圧などとの関連も指摘され関連する遺伝子も発見されているので多因子疾患と言われています

加齢黄斑変性の分類(萎縮型と滲出型)

やや専門的になりますが滲出型には脈絡膜新生血管(CNV)によるポリープ状脈絡膜血管症(PCV)と、CNVによらないもの(網膜色素上皮剥離PED)があります。また滲出型の特殊型として網膜血管腫状増殖RAPがあります。健康診断でドルーゼンと記載がされていたら一度眼科で精密検査をすることを勧めます。

萎縮型は萎縮(網膜色素上皮RPEの萎縮)が進行した状態で、検眼鏡で検査すると脈絡膜血管が透見でき、経過観察でよい場合があります

加齢黄斑変性の原因

加齢黄斑変性の原因は遺伝・喫煙・活性酸素・炎症・加齢など多因子の積み重ねによる複合的なものです。黄斑部にドルーゼンという加齢とともに沈着した老廃物を処理することができなくなることも関係してます

加齢黄斑変性の治療

滲出型黄斑変性の場合は、抗VEGF薬を眼内に投与する方法や、光線力学的療法(PDT)などでおこないます。

抗VEGFルセンティス アイリーア(抗血管新生療法)

導入期に1ヶ月ごとに計3回投与し、維持期には1ヶ月毎に経過観察して必要なら再投与しますが、治療のスケジュールは病状により毎月定期検査して決めますが、中断すると元の状態に戻ることもよくあります。脳梗塞に既往のある患者さんでは脳梗塞の再発率が高くなる可能性が報告されているのでriskとbenefitを考え合わせて使用を決めます。

pDT(光線力学療法)

ペルテポルフィンという光に反応する薬剤を静注した後に、病巣CNVに照射すると光化学反応が起こり血栓により悪い血管CNVが閉塞します。

レーザー光凝固術

脈絡膜新生血管CNVやポリープ状脈絡膜血管症PCVの病巣(異常血管網やポリープ状病巣)が、中心窩に達していない場合はレーザーで光凝固ができます。病巣を堤防状に囲い次いで病巣を光凝固します。治療は奏功すると出血や滲出は吸収され視力は維持されます。

加齢黄斑変性の予防

活性酸素を中和するための抗酸化ビタミン(ビタミンE、ビタミンC、ビタミンA、亜鉛など)、黄斑を保護するルテインを配合しているサプリメントやこれらの成分を多く含む緑黄色野菜などが予防に有効と言われています

 
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